衣服(ファッション)の意匠登録出願
意匠出願について
被服のデザインを保護するためには、意匠登録が有効です。意匠登録出願は、製品販売前、プレスリリース前に行う必要があります。公表後であっても、新規性喪失の例外の手続きを行うことにより、公開日から1年以内であれば出願が可能です。
衣服の一部が特徴的である場合、例えば、被服の袖口、襟、腕部分等に特徴があってその部分のみ権利化を希望する場合は、部分意匠としての権利化を図ることが有効です。部分意匠の場合は、袖口の一部のみを特定して権利化を図ることもできます。
襟の部分意匠の審査では、襟の形状に基づいて審査が行われるため、袖やポケット、被服の全体的な形状が異なっても襟の形状が同一又は類似する登録意匠が存在する場合は、登録されません。ただし、権利範囲は襟の部分で特定されるため、その他の部分の形状には左右されません。つまり部分意匠は、審査は通り難いが権利化できれば強い権利となります。
衣服の種類と分類
衣服は、以下の分類に属します。意匠登録出願の際は、意匠分類を指定して、手続きを行います。
- B1-10 洋服
- B1-110 ワンピース、オーバーコート、レインコート
- B1-111 スーツ、ジャケット、
- B1-1130 セーター、ポロシャツ、カーディガン、Tシャツ、ベスト
- B1-1150 ジャンパー、作業服
- B1-1210 ズボン、半ズボン
- B1-20 和服
- B1-41 パジャマ
- B1-420 おくるみ
- B1-600 下着
- B1-900 衣類付属品(織ネーム,衣服用滑り止め具,インサイドベルト,織ネーム地,衣服用胸飾り,インサイドベルト地,ワイシャツの袖口)
出願に必要な書類等
意匠登録出願は、衣服の図面又は写真で形状を特定します。従って、意匠登録出願を行う際には、衣服の具体的形状が分かる写真、図面、又は現物が必要となります。出願から登録までの期間は、通常8~10か月ですが時期によって多少前後することがあります。
意匠登録出願から登録までの費用については、特許事務所によって異なりますが、概ね15~25万程度と思われます。弊所料金は、出願から登録までで概ね20万程度となっております。詳細については、こちらでご確認ください。
意匠登録の効果
意匠登録されることで、登録された衣服と同一又は類似の衣服を販売した第三者に対して差し止め請求、損害賠償請求を行うことができます。アマゾンや楽天等のマーケットプレイスを介した販売業者に対しては、アマゾン側で侵害事業者の販売停止等の厳しい措置がなされます。
意匠権取得済であることをホームページ等で広く訴えかけることにより、未然にコピー品の販売を防止するといった抑止効果も期待できます。
もし、登録された意匠権を第三者が使用したいとなった場合は、実施許諾契約を締結することで使用を許諾できます。使用許諾の際の実施料については、交渉によって双方納得のできる金額で折り合いを付けます。
外国での意匠権取得を希望の場合は、出願してから半年以内に外国出願手続きを行います。ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願であれば、複数の国に一括で意匠登録出願を行うことができ、費用削減、管理負担軽減といったメリットがあります。
弊所では、意匠登録出願が初めてというお客様も多く、原則としてWeb又は対面でのお打ち合わせをお願いしております。衣服の権利保護をご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。
【関連ページ】意匠登録出願について