所有する商標権と同一又は近い名称のネットショップの存在
商標権の侵害の判断
自己が所有している商標権と同一又は近い名称のネットショップが発見された場合、そのネットショップは商標権の侵害を行っているかもしれません。
自己の商標権が侵害されているか否かは、指定商品・指定役務の類否及び商標の類否によって判断されます。つまり、両方が同一又は類似である場合には、商標権の侵害となります。
指定商品・指定役務の類否
ネットショップの名称に関する指定役務は、第35類の「○○の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」になります。「○○」には、実際に取扱う商品名が入ります。従って、かばんのネットショップであれば、「かばんの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」が指定商品となります。
まれに、第18類の「かばん類」を指定してネットショップの名称を侵害と考える方がいらっしゃいますが、この指定商品は「かばん」であるため、ネットショップの名称とは指定商品・役務が異なります。つまり、商品のブランドは第18類であり、お店の看板は第35類になります。
商標の類否
商標の類否については、外観・称呼・観念、及び取引の実情に基づいて判断されるため、それぞれのケースで個別具体的な判断が必要となります。ただ、一般的には称呼が同一であれば類似と判断されるケースが多いです。
対応策
侵害のときの対応
商標が完全に同一であって指定商品も同一であれば、ほぼ侵害に間違いありません。この場合には、相手先に警告状などを送付して使用を中止してもらうように求めます。
最近では、アマゾンや楽天などのネットショップは商標権の侵害品に非常に厳しいため、知的財産権の侵害者を排除しようという動きがあります。従って、ネットモールに対してこのような申立てを行うことも考えられます。
【関連リンク】知的財産権侵害についての申立て(アマゾン)
警告を行っても相手先が使用を止めない場合には、最終的には法的措置しかありません。
なお、商標が完全に同一ではなくても、近い場合には類似となって商標権侵害の可能性があります。商標が類似するか否かの判断については、ケースバイケースですので専門家に相談したほうが良いでしょう。
侵害でないときの対応
商標権の侵害で無かった場合には、何らの対応措置も執れません。しかし、上で述べたような「かばん」の事例のようなケースでは、新たに第35類で商標を出願することが考えられます。この商標が登録された場合には、その侵害者の名称の使用を中止させることができます。
商標権の侵害に関する相談は、こちらからお問い合わせください。その他、どのようにして商標権を取得するか、ブランディングの相談についても承っております。[insert page='tel' display='content' ]