既に使用されているネーミング等を商標出願した場合
登録されるのか
登録される可能性
商標では、同一の商標であれば先に出願したほうが登録されます。従って、既に他人が使用している名称等であっても、その商標が出願されていない場合には登録される可能性があります。
登録された後は、使用している他人に対してその商標の使用を止めるように求めることができます。ただし、後述のように一定の要件を満たした場合には、その他人は継続的に商標を使用することができます。
拒絶される可能性
その他人の商標が広く知られている(周知性がある)と判断された場合には、出願したとしても拒絶される可能性があります(商標法第4条第1項10号)。ここで、広く知られているとは複数の県に亘って知られていることが必要とされています。また、外国において広く知られている商標である場合にも上記の理由によって拒絶される可能性があります。
その他人の商標が著名な商標(「シャネル」や「ソニー」等)を含んでいる場合には、出願したとしても拒絶される可能性があります(商標法第4条第1項15号)。周知・著名な商標は、以下のURLで検索することができます。
【関連リンク】日本国周知・著名商標検索(INPIT)
登録後に無効となる可能性
登録後であっても、相手方が使用を継続したい場合に、異議申し立てや無効審判などが請求されるかもしれません。請求の理由が認められれば、商標権が無効となってしまいます。
無効となる場合とは、上記に述べた2つの理由以外にも様々なものがあります。異議申し立てについては、登録されて商標公報が発行されてから2か月以内、無効審判については一部の理由は登録後5年以内に限り請求することができます。
相手方の継続的な使用
以下の要件を満たす場合には、相手方に先使用権が認められます。これにより、商標が登録された後であっても相手方はネーミングの使用を継続することができます。
- 商標の出願前から使用している
- 相手方に不正の目的がない
- 相手方のネーミングが広く知られている
- 相手方が継続してネーミングを使用している
項目4の広く知られているとは、商標の出願時点において広く知られていることが必要となっています。
既に他人に使用されているが商標を取得できるのか等の商標に関する相談は、こちらからお問い合わせください。[insert page='tel' display='content' ]