意匠出願について

冷暖房・空調器具である加湿器、除湿器、換気扇、エアコン、ヒーター、扇風機等のデザイン・外観形状を保護するためには、意匠登録出願が有効です。意匠登録出願は、製品販売前、プレスリリース前に行う必要があります。公表後であっても、新規性喪失の例外の手続きを行うことにより、公開日から1年以内であれば出願が可能です。

扇風機のファンが特徴的である場合、具体的には、ファンに特徴があって台座や柄には特徴が無いためファンのみ権利化したい場合、部分意匠としての権利化を図ることが有効です。部分意匠の場合は、ファンの一部(ファンのカバーの形状など)を特定して権利化を図ることもできます。

扇風機のファンの部分意匠の審査では、ファンの形状に基づいて審査が行われるため、ファン以外の台座や柄の部分の形状が異なってもファンの形状が同一又は類似の登録意匠が存在する場合は、登録されません。他方、権利範囲はファンの形状で特定されるため、その他の部分の形状には左右されません。つまり部分意匠は、審査は通り難いが権利化できれば強い権利となります。

冷暖房・空調器具の種類と分類

冷暖房・空調器具である、加湿器、除湿器、換気扇、エアコン、ヒーター、扇風機等の意匠分類は、以下の通りです。

  • D4-130 湯たんぽ、温熱クッション、あんか
  • D4-15 カイロ、ハンドウォーマー、電気懐炉
  • D4-171 電気ストープ、暖房機、電気ヒーター、ファンヒーター
  • D4-172 パネルヒーター、ヒーター、遠赤外線デスクヒーター、オイルヒーター
  • D4-3110 床置式エアーコンディショナー、ヒーター、空気調和器、セラミックファンヒーター、エアコン、冷風機、空気冷却器、クーラー
  • D4-32 エアコン室外機、チラーユニット、空調機用室外機
  • D4-3310 加湿器、卓上加湿器、噴霧装置、アロマディフューザー付き加湿器
  • D4-3320 除湿器
  • D4-340 空気清浄機、エアクリーナー、除菌器、イオン発生器
  • D4-39 エアーコンディショナー用フィルター、フィルター、アタッチメント、エアコン室外機カバー、エアーコンディショナー等部品及び付属品
  • D4-410 扇風機、ファン、首掛け扇風機、衣類用ファン
  • D4-510 換気扇、レンジフード、天井埋込換気扇、浴室乾燥機

出願に必要な書類等

意匠登録出願は、冷暖房・空調器具の図面又は写真で形状を特定します。従って、意匠登録出願を行う際には、冷暖房・空調器具の具体的形状が分かる写真、図面、又は現物が必要となります。出願から登録までの期間は、通常8~10か月ですが状況によって多少前後することがあります。

意匠登録出願から登録までの費用については、特許事務所によって異なりますが、概ね15~25万程度と思われます。弊所料金は、出願から登録までで概ね20万程度となっております。詳細については、こちらでご確認ください。

意匠登録の効果

意匠登録されることで、登録された加湿器、除湿器、換気扇、エアコン、ヒーター、扇風機等の冷暖房・空調器具と同一又は類似の商品を販売した第三者に対して差し止め請求、損害賠償請求を行うことができます。アマゾンや楽天等のマーケットプレイスで意匠権侵害等を行った販売業者に対しては、アマゾン側で侵害事業者の販売停止等の厳しい措置がなされます。

意匠権取得済であることをホームページ等で広く訴えかけることにより、未然にコピー品の販売を防止するといった抑止効果も期待できます。

もし、登録された意匠権を第三者が使用したいとなった場合は、実施許諾契約を締結することで使用を許諾できます。使用許諾の際の実施料については、交渉によって双方納得のできる金額で折り合いを付けます。

外国での意匠権取得を希望の場合は、出願してから半年以内に外国出願手続きを行います。ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願であれば、複数の国に一括で意匠登録出願を行うことができ、費用削減、管理負担軽減といったメリットがあります。

弊所では、意匠登録出願が初めてというお客様も多く、原則としてWeb又は対面でのお打ち合わせをお願いしております。冷暖房・空調器具の権利保護をご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。

【関連ページ】意匠登録出願について