意匠権を存続させるか放棄するかの判断
権利存続判断の基準
意匠権の維持費用
意匠権を維持するためには、特許庁に毎年登録料を支払わなければいけません。これ以外に、特許事務所による支払手数料や管理費用も必要になってきます。
- 1~3年目 ¥8,500
- 4~20年目 ¥16,900
複数の意匠権を所有している場合には、管理費用も多額になるため、意匠権の要否を判断しましょう。
判断の基準
意匠権を維持するのか、放棄するのか、の判断は、以下のような基準に基づいて行います。
- 意匠権に係る製品を製造・販売しているか
- 模倣された場合の被害額は小さいか
- 意匠権の維持にかかる費用に比べて意匠権を維持する効果は大きいか
- 将来的に重要な製品に育つのか
- 他社の意匠権の動向(他社は権利維持?放棄?)
関連意匠など、類似する複数の意匠権を所有している場合には、中心となる意匠権のみ残して他は放棄するということも考えられます。また、自社を代表するブランドに育った製品を保護する意匠については、可能な限り長く保持しましょう。
意匠権を放棄した後であっても、販売から3年以内であれば、不正競争防止法に基づいて、形状を模倣した第3者に対して差止請求や損害賠償請求をすることができます。
権利存続判断の時期
意匠権の登録料支払時
毎年、登録料の支払時に意匠権の要否を検討しましょう。4年目には登録料が倍以上になるため、より慎重に権利維持が必要かを考えましょう。
登録料の支払いを忘れると、意匠権が消滅してしまいます。ただし、納付期限から半年以内であれば、登録料を倍額支払うことで権利を維持できます。アンケート結果によると、中小企業では半分以上の意匠権が10年未満で権利放棄されています。
“意匠権を存続させるか放棄するかの判断” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。