知財の価値評価
評価手法
3つの評価手法
特許権や商標権などの知的財産権の金銭的な価値評価には、以下の3つの手法があります。
- コストアプローチ
権利取得・維持のためにかかった費用をその権利の価値を評価する手法 - マーケットアプローチ
市場において取引されている価格に基づいて価値を評価する手法 - インカムアプローチ
これらの権利がもたらす収益を価値として評価する手法
それぞれの評価手法にメリット・デメリットがあります。コストアプローチは、評価基準が明確であるため誰が評価しても同じ金額となります。ただ、知的財産はコストだけで測れない面も多く、評価の妥当性に欠けます。
マーケットアプローチでは市場における価値を評価しますが、そもそもこのような技術的な価値の情報が公になることは少なく、評価するための情報量が圧倒的に不足しがちです。また、特許権の譲渡等については企業間で頻繁に行われていますが、その価格が公開されることはまずありません。
インカムアプローチは、収益予測が難しく鑑定者の主観による価値の差異が大きく影響します。ライセンス料が1%違っただけでも、評価額が大きく変動するためです。ライセンス料については、平均的なレートについては開示されています。また、これ以外にも多くの財務諸表データを必要とします。
実務上、最も活用される評価手法はインカムアプローチでしょう。これは、知的財産の価値を客観的に評価できるとともに、評価に必要な情報もある程度収集可能と考えられるからです。
【関連リンク】知的財産の価値評価(日本弁理士会)
評価が必要な場面
知的財産の価値評価は、以下のような場面で必要になってきます。
- 企業のM&A
- 税務上の評価
- 金融機関による融資の担保
- 権利の譲渡時における価格決定
上述した3つの手法は、場面によって適・不適があります。例えば、税務上の評価においてはコストアプローチで評価することが妥当とされますが、M&Aや権利譲渡の際にはインカムアプローチが適切と思われます。
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