漁業協同組合の商標~地域団体商標の利用~

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漁業協同組合と地域団体商標

登録されている商標

地域活性化のために、「地名」+「特産品」の名称で地域団体商標を登録する漁業協同組合が数多くあります。水産品として、「関あじ」、「大間まぐろ」、「越前がに」などがあり、水産加工品では、「小田原かまぼこ」、「焼津かつおぶし」、などが地域団体商標として登録されています。

商標登録によるメリット

地域団体商標を取得しておくと、その商標を使用できるのは、出願した漁業協同組合に属する組合員のみとなります。従って、漁協に属していない人が劣悪な水産品・水産加工品を販売してブランド価値を下げるということを。

地域団体商標登録済であることを表示すると、ブランド力向上や模倣防止といった効果があるため、商標登録後は積極的に商標表示行いましょう。

一度商標を登録しておくと10年ごとに更新することで、永続的に商標を使用することができます。商標の使用を継続することで水産品や加工品が一般人に広く知れ渡り、そのブランド価値も向上します。

商標及び品質の管理

地域団体商標を取得後は、以下のようなことに気を付けて商標を管理しましょう。

  1. 地域団体商標をどのように使用するか?
  2. どのような販売経路で販売するか?
  3. 第三者に使用許諾をするのか?
  4. 10年ごとの更新手続きはどうするのか?
  5. 模倣品への対応

当然のことながら、水産品の品質についてもその商標のブランド維持・向上のためにこれまで以上に気を付けましょう。

地域団体商標に必要なもの

漁業協同組合であることの証明

地域団体商標を出願できる団体は、正当な理由なく構成員の加入を拒んではいけない等の規定があります。出願に際して、漁業協同組合あることを示す「登記事項証明書」及び「設立根拠法の写し」(加入の自由の定めを 明示したもの)の提出が必要です。

登録する商標は漁協の組合員に使用させるものでなければなりません。通常の商標は出願人が使用するものでなければなりませんが、地域団体商標は組合員が使用していれば足ります。

地域名と特産品の関係性を示すもの

商標の「地域名」+「特産品」の地域名と農協とは、密接な関係が必要です。商標の出願の際には、その関係性を示す書類、例えば、「パンフレット・カタログ・新聞・雑誌等の記事」「組合員名簿」「内部規則」「公的機関等の証明書」等です。

広く知られていることの証明

また、その地域において、広く一般人に知れ渡っている必要があります。広く知られているか否かは、特許庁の審査官によってインターネットやパンフレット等から判断されます。一応の目安として、隣接する県に知られていれば周知性はあると判断されます。

隣接する県に知られていることの証明を提出することもできます。たとえば、ポスター、新聞雑誌、広報活動の写真、県外への出荷伝票等が周知性を証明する書類となります。

【リンク】特許庁:地域団体商標パンフレット