アイデアを試作品で具現化する

発明の視覚化・具体化

3Dプリンタを活用して、頭の中にあるアイデアや発明を具現化して実際の形にできるため、発明の具体的な形や有用性を、目で見て認識することができます。自分の頭の中にある抽象的なアイデアが3Dプリンタで具体的な形として表現されるため、発明の全体像や細部を直感的に理解することができます。

また、実際に形となった試作品に触れることで、想定通りに動作するか、耐久性は問題ないか、デザインの適切性、製品使用時の安全性等を確かめることができます。試作品を作成することで、設計上の欠陥や改善すべき箇所が明確になります。修正点を見つけることで、改良を重ねて試作品の精度を向上させることができます。

さらに、全体像を直感的に理解することで、設計の一貫性やバランスをチェックできます。例えば、機械構造が意図した通りに動くか、部品の配置やサイズが適切か、突起等の安全性の懸念となる部材はないか、等を確かめることができます。そうすることで、不足している要素や改善点に気づき、より完成度の高いアイデアに仕上げられます。

アイデアが抽象的な段階では、発明の全体が自分でも完全に把握できていないことがあることがあります。試作品で具体的な形で確認することにより、デザインの曖昧さや矛盾が明確になり理解を深めることができます。

試作品の全体像や細部を確認して、初めて新しい可能性や応用方法、新たな適用用途などに気づくことがあります。「ここに別の機能を追加すればもっと便利になる」や「この部分は別の用途にも使えるかも」といった発想が生まれ易くなることも試作品を作る利点です。

 

アイデアの訴求力

発明を説明する際に試作品を利用すると、出願審査官、投資家、パートナー企業等のステークホルダー等の関係者がアイデアを短時間で正確に理解できます。特に複雑なアイデアの場合、図面だけでは伝わりにくい要素を補完することができます。また、投資家や企業との交渉時に、具体的な試作品を見せることで、アイデアの魅力や実現性を強く訴えかけることができ、「形がある」ことにより発明の信頼性が向上します。

さらに、実際の形として見えることで、発明が市場でどのように受け入れられるかを、実用的な製品としての価値を確認できます。製品化を目指す場合、改良点やデザイン変更を明確化できます。

まとめ

3Dプリンタによって製作された試作品を通じて得られる「アイデア具体化」のプロセスは、お客様にとって単なる確認作業以上の価値があると考えています。それは、アイデアが現実世界でどのように機能するか、どのように価値を生むかを「体験」できる機会であり、弊所ではこのような体験を共有することでより強い特許の取得を目指しております。