ブランド生地の柄と知的財産の侵害
著作権
ブランド生地の柄は、著作物として著作権で保護される対象となります。従って、生地の柄をそのままコピーすると著作権の内の複製権の侵害となります(著作権法第21条)。
また、コピーではなくても、あるブランドの柄を想起させる程度に似通っている場合には、著作権のうち翻案権の侵害となる可能性があります(著作権法第27条)。翻案権の侵害にあたるか否かの判断はなかなか困難なため、専門家に相談してアドバイスをもらうことが適切と言えます。
なお、著作権の保護期間は、法人が著作物を公表してから70年となります(著作権法第53条)。この期間内に上記の行為を行った場合には、ブランド生地の会社から法的措置を受けるリスクがあります。
商標権
商標権は、ブランドの名称について登録されている場合が多いですが、生地の柄についても例外的に登録されるケースがあります。ただし、登録のためのハードルは高く、ルイ・ヴィトン等のある程度有名であるものに限られます。
従って、商標登録されている生地と同一又は類似する模様を使用した場合には、商標権侵害となる可能性があります。また、ブランド名についても、勝手に使用した場合には当然商標権の侵害となります。
商標登録されているか否かは、以下のURLより検索することができます。「商標」のタブ→「商標検索」をクリックし、一番下の「出願人/権利者/名義人」のところに「?ヴィトン?」と「?」で挟んで会社名の一部を入力すると、その名称を含む権利者の商標権が一覧で表示されます。
【関連リンク】J-Plat-Pat
商標権は、更新すれば永続的に存続するため、権利が存在している状態では侵害となるリスクがあります。権利の状態についても、上記URLの「経過情報」で確認することができます。
意匠権
生地の柄は、意匠権で登録することもできます。従って、その柄が意匠権として登録されている場合には、同一又は類似する生地を販売等した場合に権利侵害となる可能性があります。
意匠権の存続期間は、出願してから20年となります。その後は、意匠権では保護されませんが上述の著作権は存続していることとなるため注意が必要です。
意匠権についても、同様に以下のURLより検索することができます。「意匠」のタブ→「意匠検索」をクリックし、「出願人/権利者」を選択して「ヴィトン」と会社名の一部を入力すると、その名称を含む権利者の意匠権が一覧で表示されます。
【関連リンク】J-Plat-Pat
版権など
ブランドによっては、その生地を利用して商品を販売するなどの商用利用が禁止されているものがあります。これは、生地会社によって対応が異なるため、もし不安な場合には会社のホームページ等から直接問い合わせてみたほうが良いと思います。