商標権の発生と有効期限
商標権の発生
設定登録日
商標権は、商標登録出願が設定登録された日に発生します。出願後に特許庁で審査が行われ、登録すべきと判断されると登録査定となります。登録査定の日から30日以内に10年分の登録料を支払うと、原簿に登録されます。この登録された日が商標権が発生した日になります。
設定登録されたことを示す通知として商標登録証が送付されます。この登録証に、登録日、商標、指定商品・指定役務等が記載されています。出願人には、原簿に登録されたことを公示するために、商標公報が発行されて以下の内容が公開されます。
- 商標権者
- 登録された商標
- 指定商品・指定役務(商標を使用する分野)
【リンク】 特許庁 商標登録原簿(見本、pdf)
早く商標を登録したい場合には
出願後、早く商標を登録したい場合には早期審査を申請します。早期審査の適用を受けると、通常6カ月程度かかる審査が1~2か月まで短縮されます。費用等はかかりませんが、申請するためには以下の条件を満たす必要があります。
- 商標を使用する準備が進んでいて、権利化に緊急性を要する場合
- 既に商標を使用している場合
権利化に緊急性を要する場合とは、使用の準備を進めている商標が他人から警告を受けている場合、他人から商標の使用許諾を求められている場合、他人が商標を使用している場合、外国出願をしている場合が該当します。
【リンク】 特許庁 早期審査ガイドライン
商標権の存続期間
通常の出願
商標権の存続期間は、10年ですが何度でも更新できます。商標権とは、使用を継続することによって商品・サービスに信用が蓄積され、その蓄積された信用を保護するための制度です。そのため、更新を繰り返すことで、永続的に商標権を所有できます。
存続期間の更新
存続期間の更新は、10年毎に行うことができます。通常は、商標の登録時に10年分の登録料を支払いますが、5年を2回に分けて分割納付することができます。ライフサイクルの短い商品の場合等に使用されます。
分割納付では、5年分の登録料を支払った後、商標権が不要となった場合には次の5年分の登録料を支払わないことで商標権が消滅し、最初の5年の期間満了までに次の5年分の登録料を支払うとさらに5年権利が維持されます。つまり、5年毎に商標権の必要性を判断できます。
維持費用
商標の設定登録にかかる費用は以下の通りです。料金は、分割納付のほうが一括納付よりも割高に設定されています。
- 10年分一括納付 区分数×¥37,600
- 5年分の分割納付 区分数×¥21,900
- 更新時の一括納付 区分数×¥48,500
- 更新時の分割納付 区分数×¥28,300
更新は商標の区分ごとにできるため、使用の可能性が無い区分については更新を行わずに権利を消滅させても良いでしょう。区分の数によって料金が大幅に上下します。区分とは、商標を使用する商品・サービスのおおまかな分類です。